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2017/6/14
国際会議ACM DIS 2017でf3.jsに関する登壇発表を行いました。f3js.orgで実際にIoTデバイス製作を試すことができます。
概要
Internet of Things (IoT)アプリケーションのソフトウェア開発者にとって、センサやアクチュエータを配置する筐体の設計はCADシステムを用いる必要があり容易でない。この研究では、アプリケーションのソフトウェアと筐体設計を一つの統合開発環境中でソースコードの記述を通して行えるコード中心の開発プロセス(code-centric development process)を提案する。また、その実例としてソフトウェアの開発用インタフェース上でハードウェア設計まで一貫して行える統合開発環境f3.jsを提案する。
f3.jsでは、センサやアクチュエータの制御コードと同じスコープに、レーザーカッターを用いた筐体設計のためのコードを書ける。また、レーザーカッターの切断面を組み合わせて立体形状を形成できるように、展開図の作成支援用APIを備えている。ユーザは展開図上にセンサやアクチュエータを配置するGUIプログラミングのようなコードで、新しいハードウェアインタフェースを設計できる。これらの仕組みを利用して、エンドユーザでもGUIを操作してIoTアプリケーションをパラメトリックにカスタマイズできるようになっている。
提案手法とそれを実現するシステムf3.jsの有効性について、インタラクションデザイナ、コンピュータ科学専攻の大学生、そしてエンドユーザを対象とした2つのユーザスタディで評価した。
発表内容
DIS 2017 デモ動画
DIS 2017 発表スライド
核となるアイデア: IoTデバイスのパラメトリックデザイン
アプリケーション例
17個の作例動画
冒頭5例の紹介
- QuadBuzzerはブザーの数を1-4個から自由に選べる楽器プロジェクトだ。レイアウトマネージャを使ってブザーを円形に並べてある。
- Music Kioskはコンピュータで鳴っている音楽に同期して線上に並んだLEDが光り、ブザーがメロディを奏でるプロジェクトである。
- Card Matching Gameはプレイヤー数を1-2名から選べる神経衰弱ゲームである。選んだ結果に応じてゲーム内容と出力されるコントローラの数が変わる。
- Rhythm Game on a Drumは音センサで太鼓を叩くイベントを検出することでリズムよく太鼓を叩くゲームを実現している。
- Translatorは腕に装着して使う翻訳機である。Google翻訳APIを利用してカメラで撮影した文字列を翻訳し、結果をLCDディスプレイに表示する。
この他にも力作揃いなのでぜひ全部鑑賞してみてほしい。
発表文献
引用するならコレ!2017DIS '17
F3.Js: A Parametric Design Tool for Physical Computing Devices for Both Interaction Designers and End-users
A Robotic Framework for Video Recording and Authoring
2017HRI '17 Companion
Proceedings of the Companion of the 2017 ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction, pp.41-41
Form Follows Function(): An IDE to Create Laser-cut Interfaces and Microcontroller Programs from Single Code Base
2015UIST '15 Adjunct
Adjunct Proceedings of the 28th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology, pp.43-44
IoTアプリケーションのソフトウェア・ハードウェアを単一コードベースで開発できる統合開発環境f3.js
2016インタラクション '16
インタラクション2016論文集, pp.132-139