加藤 淳
博士(情報理工学)

研究内容

人とコンピュータの関係を考え、よりよくしていく学問 "HCI" の研究者です。創作支援のためのユーザインタフェース、ツール、環境設計を専門としています。統合開発環境 (IDE)プログラミング体験 (PX)を向上させる研究や、Webベースのツールでアニメの制作プロセスを支援する研究など、人々が創造性を発揮できる環境づくりに取り組んできました。

略歴

2014年3月 東京大学大学院 博士課程を修了。博士(情報理工学)。同年より国立研究開発法人 産業技術総合研究所 (AIST)研究員。2018年より主任研究員。同年よりアーチ株式会社技術顧問を兼務。 Human-Computer Interaction全般、とくにPXの向上や創造性支援に関する研究に従事。ACM CHI Honorable Mention (2013, 2015)やIPSJ/ACM Award (2021)など受賞多数

近況

2022/9/30
国際会議SPLASH 2022併催ワークショップLIVE 2022で運営委員長を、国際会議ACM CHI 2023Associate Chair (EIST subcommittee)を務めています。
2022/7/1
Dagstuhl Seminar #22231 "Theories of Programming" に参加しました。コロナ禍になって以来初めて対面での国際イベント参加となり、インタラクティブな議論を楽しみました。
2022/6/30
国際会議SAS 2022のセッション「Panel 21 (G0.57): Machine Learning and AI in animation」で「Past, Present, and Future of "Toolsmiths" in Japanese Animation」と題して発表を行いました。
2022/3/15
国際ワークショップISID 2022で絵コンテ制作支援ツール「Griffith」の最新の成果に関するポスター発表「Griffith: Prototype of A Web-based Tool for Authoring Japanese Anime Storyboards」を行い、 Best Poster Award を受賞しました。
2022/3/11
N&A Art SITE “現実”の自給自足展で「情報工学“研究”の民主化」という演目の公開インタビュー取材を受けました。その模様を振り返るブログ記事を書きました。

プロジェクト

プロダクト

以下の研究成果はクリエイタ向けのWebサービスやプログラマ向けのAPIとして一般公開されています。

TextAlive

音楽に同期して歌詞がアニメーションする動画を制作でき、演出をJavaScriptで拡張できる統合制作環境です。

2014-2022CHI '15
Griffith

Griffithは、日本のアニメ制作において設計図とも言うべき絵コンテのための、Webベースの制作支援ツールです。

2019-2022SAS '21
Songle Sync

多種多様なデバイスを音楽と同期して制御できるアプリケーションを容易に開発できるSDKが整備されたプラットフォームです。

2017-2022MM '18
f3.js

IoT機器の筐体設計とファームウェア開発を同時に行える設計ツールです。専門知識不要で機器をカスタマイズできます。

2015-2018DIS '17

研究トピック

創造性支援環境

人々がAIを活用しながらコンテンツ創作を行いたいと思える創造的な社会を実現するためには、コンテンツが次の創作を触発する持続可能なエコシステムの形成が重要です。

私は、そうしたエコシステムにおいて人々とコンテンツが織りなす創作文化が果たす役割に着目し、コンテンツの創作・流通過程を支援する創造性支援環境 (Creativity Support Environments)を実現することで、創作文化を工学的につくり支えるインタラクション技術の確立を目指しています。

科学技術と社会

これまで、科学技術全般に広く関心を持っていろいろな活動をしてきました。古くは立花隆ゼミで科学技術メディアサイト構築に携わり、その後も科学技術コミュニケーションに関心を持ってきました。

自身が研究職に就いてからは、研究成果の社会展開へ継続的に取り組んできたほか、科学技術の研究が切り拓く未来についての論考を書いたり、設定考証に携わったりしてきました。

ユーザインタフェース設計

ユーザインタフェース設計に関して、基礎理論からデザインの評価手法、デザインで気をつけるべきポイント、最近のホットトピックまで幅広く紹介します。

コミュニケーションとしてのプログラミング

プログラミングは今よりもっとソーシャルな行為であるべきです。プログラミング環境は、プログラマのためだけの環境である必要はありません。むしろ、多様な技術的背景を持つ人々のために設計されるべきです。

私は、プログラミング環境の設計を包摂的にする工夫により、プログラミングを通じたコミュニケーションが成立し、すべての人々にプログラミングによる利益──ひいてはエンパワーメントをもたらすことができると考えています。

ライブプログラミングのためのユーザインタフェース

Live Programmingは、プログラム実行時の情報を参照しながらプログラムを編集できるようにするプログラマ向けのインタラクションデザインです。プログラムの情報をプログラマへどう提示するか、プログラマの編集意図をどう汲み取るかというHCIの観点が極めて重要です。

私は、Live Programmingのためのユーザインタフェースの提案を通して、その応用範囲を拡大する研究を行ってきました。例えば、プログラマとユーザによるプログラムの共同開発支援や、実世界のプログラミング支援などに取り組んできました。

Programming with Examples

Programming with Examples (PwE)は、プログラマがインタラクティブなアプリケーションの開発を行う際にExamples (例示データ)の助けを借りる開発手法です。通常の統合開発環境には、例示データの可視化と管理のための機能はありません。そこで私は、統合開発環境に特別なユーザインタフェースを追加することでPwEを支援する研究を行ってきました。

PwEは、IoTデバイスの開発、画像処理、動画編集、機械学習など、大量のデータを扱う必要のあるアプリケーション開発において重要な役割を果たす開発支援技術です。

すべての研究プロジェクトを見るには「プロジェクト」をご覧ください。

連絡先

電話とFAXはチェックしていないことが多いため、メールかソーシャルネットワークサービス経由でのご連絡をおすすめします。

共同研究しませんか?